適度に節電し、健康に夏を過ごしましょう

原子力発電所が稼働停止して電力不足が生じたため、節電が求められています。 そうはいっても6月24日には早くも最高気温が38℃超え、6月だけでも全国で700人以上の方が熱中症で救急搬送されています。 無理にエアコン使用を控えたり、設定温度を高くしすぎると脱水や、熱中症が起こります。 同じ気温でも湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり容易に熱中症になります。ひどいときには脱水になりどろどろ血液になると脳梗塞になることがあります。 ご高齢の方は感覚が鈍り暑さに気づきにくいのを、暑さに強いと勘違いされ、気づいたときには中等度から高度の熱中症で意識がなくなり、場合によっては死に至ることもあります。

熱中症の対策の一番は予防、すなわち水分補給です。では、どのように水分補給をすればいいのでしょうか? 生活習慣病の方は普段から体重を意識されているはずですが、この時期は特に気にしましょう。体から3%の水分が失われると運動能力や体温調節能力が低下し 熱中症になります。体重50kgの人なら1kg以上減った場合には水分を補います。 運動をするときには前後を含め定期的に水分を補います。入浴も汗をかきますから入浴する前やお風呂から上がった後に水を飲みましょう。寝ている間にも汗を かきます。ふだんでも体重50kgの人なら500ml程度、30℃を超えると1000mlほど、気がつかないうちに汗をかき水分が失われていていますの で、寝る前と朝起きたときに水を飲むのが良いでしょう。前立腺肥大のある方は頻尿が気になりますね。でも夏場は夜間の頻尿もおきにくいので水分をとること を躊躇してはいけません。尿の色や回数を目安し、尿の色が濃くなったり、回数が減ったら積極的に補水しましょう。とはいえ水を飲みすぎて食欲がなくなった ら本末転倒です。食事の妨げにならないようにすることが原則です。  水分は1回200ml以下とし、こまめに補うことも大切です。のどが渇いてから飲むと後手後手になるので、口の渇く感じがなくてもある程度時間を決めて 飲みましょう。

どのような飲み物がこの時期体に優しいのでしょうか? 夏のビールは心地がよいものですが、トイレに行きたくなりますよね。ビールを含めアルコール類は利尿作用があるためかえって脱水になるので体にはよくあり ません。コーヒー、紅茶などカフェインが含まれるものにも利尿作用があるため、尿がまめになり脱水になりやすくします。スポーツドリンクも様々な工夫がな されていますが、商品によって塩分の量が異なり一部は熱中症対策には適さないので注意が必要です 血液には0.9%の塩分が含まれています。汗をかくことで塩分も失われますから、水だけでなく夏場は塩分をとる必要があります。高血圧の方は普段は塩分制 限をなさっているはずですが、熱中症になるような日だけは塩分制限は忘れてください。飲み物の塩分の目安は0.1~0.2%程度、つまり1リットルの水に ティースプーン1/3から半分の食塩(1-2g)が適切です。 健康のためウオーキングをする場合は同時に当分を補うと疲労の予防ができます。1時間以上の運動をする場合には 4~8%程度の糖分を含んだものがよいでしょう。運動するときには冷えたスポーツ飲料も手軽です。ただしスポーツドリンクにはブドウ糖が多く含まれます。 糖分を多くとりカロリーをとりすぎると、一時的に糖尿病になるペットボトル症候群になる事もありますから注意が必要です。運動するときにはこまめな水分摂 取だけでは万全ではありません。環境温度が31℃を超えた場合は無理せず運動はやめましょう。

熱中症になったら早めの対処が大切です。脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気であれば、木陰など涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を飲ませ ます。全身に濡れタオルを当ててあおぐと、水が蒸発することで体温が下がります。くびや腋の下、股の付け根には大きい血管があるので氷や冷たいタオルをあ てると効率よく体を冷やせます。症状によっては必要に応じ医療機関で点滴を受けることになります。しかし、受け答えが悪い、言動がおかしい、意識がないと ころまで症状が進むと入院することになりますから、そこまで我慢してはいけません。

熱中症の予防:

水分を多めにとる 適度に塩分もとる

お酒は控えめに 水分補給にはなりません

適度に冷房をかける

風通しのよい服装を

 

適度に節電し、健康にこの夏を過ごしましょう!

商品名
カロリー/500ml
食塩の量(g)/500ml
ポカリスエット 135kcal  0.62g
アクエリアス 95kcal 0.44g
DAKARA 85kcal 0.15g
経口補水液 OS-1 50kcal 1.46g
SUPER H2O 75kcal 0.42g
アミノサプリ 120kcal 0.56g


(以上いずれも500mlあたり 当院調べ)

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